simizuの映画記録

映画を観ながら記録したものにつき、ネタバレがあります。

ナディア視聴(エヴァとの比較)

不思議の海のナディアを視聴して、庵野監督作品をエヴァ以前の作風の特徴で共通している点を探しながら見たので記載していく。(全話視聴した感想としてはかなり好きな作品だと思う。SFとして設定も凝っている)

 

デウスエクスマキナとして、ブルーウォーターがでてくる。{主人公(ヒロイン)の持つ宝石の様なもの。}

主人公たちの危機を救い物語を進行させる要素。奇跡が起きる。エヴァでいうと初号機の役割。(主人公を特別な存在にする設定とも繋げている)

 

◎ナディアの性格、エヴァ後半のアスカと繋がる。庵野監督の女性観なのか、わがままで主人公を振り回す。嫌い、嫌い、大嫌い…ヒステリックになる所。

見ていて辛くなる描写なのだが、ナディアの場合は救いがある。ストーリーの展開で一話の中である程度解決している。

(ナディアの場合、彼女はベジタリアンで、肉を食べない。命を奪って食べるのは気持ち悪い。また、他人への強い不信感がある。肌の色の違いから差別されてきた。サーカスにいた頃の恐怖感とか。ジャンと違い人を警戒する。)

(アスカの場合、ストーリーに絡む過去は無い。母が精神を病む。自分を見てもらえなかった子供時代。自分を演じて強く見せようとする。エヴァのアニメ版では結局、何も救われる事は無かった。)

 

◎機械の作画、庵野監督の作風で、何気ないシーン(ドアが開いたり、メーターの動き、兵器の駆動する細かい動きを丁寧に描写する)があり、ストーリーには直接関係しない所だが、SFでは大事な要素だと思われる。自分も好き。場面を持たせる効果もある。

 

◎ナディア作中の後半に出てくる、古代文明の遺産、アトランティス人が最初に作った人類アダム。巨神兵の様なものがレッドノアの中に出てくるが、これはエヴァとも似ている。比較すると設定は異なるが、エヴァ作中の第一の使徒アダムを想起させる、(生物の人工進化の過程で出来た、この辺の設定は2001年 宇宙の旅とも近いかも。)この巨人の要素を掘り下げて設定を加えたものがエヴァではないのかと思う。

 

エレクトラと艦長の関係、父と子、ナディアとの関係。愛憎の両面がある人間観。(直接物語と関わる、重大な秘密が明かされる。)エヴァのテーマの父と子にも似ている。女として、子どもとして、より生々しく描いたものが、ミサトやリツコ(過去に負った傷を癒すための依存、憎しみと愛情)の二人に繋がる。

 

エヴァを分析する為に見たが、ナディアは単体でも面白い。ラピュタ関連の話(制作する経緯、設定が似ているのは理由がある)を知ってると、違う見方もできるし、エヴァとの比較で見ると、ナディアで使われた設定とか、人間観を土台にしてリデザインしたのがエヴァなのだと思われる。